水面を泳ぐあかね色の夢灯篭

評論

導入 本作は、夕暮れの川に通常の箱形ではなく、発光する魚形の灯籠を浮かべている。最前の橙色の魚は岸へ触れそうな大きさで、より小さな形が橋へ向かって泳ぐ。送り出す行為を、水中を導かれて進む像へ変えた点に独創性がある。 記述 右下を占める大きな紙の魚には、円い目、赤い鱗、骨組み、鰭、尾が明瞭に見え、内部の炎が透ける。中央では淡い色の小さな魚が正面を向き、その奥に光る形の列が続く。左には観客の脚と草履が濡れた石の縁に立ち、太い係留柱が切られる。対岸には古い家、赤い提灯、電柱、橋、群衆が並び、空は紫から桃色へ変化する。 分析 魚は前景から橋へ向かう強い対角線上で縮小し、奥行きと行列の印象を作る。橙色の紙と反射は青紫の水に対して発光する。近くの灯籠の湾曲した骨と半透明の面は、粗い石、裸の脚、柔らかな遠景建築と質感を異にする。各魚の周囲に集まる波紋は、光そのものが形を前へ運ぶように見せる。暖寒色と硬軟の描き分けが明快である。 解釈と評価 認識しやすい魚の形は行事に穏やかな生命感を与えるが、岸辺の人間の行為を隠さない。顔ではなく足を示すことで、参加は身体的な近さとして表される。電柱と伝統的な屋根の共存は、儀礼を現在の生活する町へ置く。図柄の発想、遠近の統制、紙、水、石の繊細な描写に高い構成力が認められる。 結論 第一印象では灯籠が生き物のように遊ぶ場面に見えるが、一定の漂流と見守る人々が、やがて静かな通過の感覚を導く。驚き、土地性、追想を一つの整えられた水流へ結んだ作品である。

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