夜風に翻る夏衣の渦 (其の37)

評論

導入 本作は、薄暮の提灯街路を、手鼓を持つ踊り手たちが進む情景を描いた作品である。中央の笑顔の女性が腕と鼓を上げ、白青の衣、赤帯、持ち上がる膝、周囲の演者、遠い山が共同の推進力を作る。縦長画面は跳ねる足から頭上の灯までを積み上げる。音と身振りを同じ身体へ統合した群像画である。 中央の鼓は白い革面と赤黒の枠を持ち、女性の顔の近くで第二の焦点を作る。髪には桃と白の小花が挿され、激しい身振りの中にも細かな装いが保たれる。左の男性は目を伏せて腕を上げ、中央の外向きの笑顔とは異なる集中を表す。右奥の女性は同じ鼓を掲げ、楽器の反復が行列の音を奥へ延長する。青い山と電線は、祭りの通りが地形と日常生活の中にあることを示す。 白い袖の縁には提灯光が細く走り、重なる身体を一人ずつ見分けられるようにしている。 金の反射も歩調を下から支える。 記述 中央の女性は左へ身を傾け、口を開き、赤い紐の付いた丸い手鼓を右手に持ち、もう一方の腕を高く上げる。淡い浴衣には青い波模様があり、腰には幅広い赤黒の帯が巻かれる。周囲の踊り手も上向きの身振りを反復し、一部は横顔を見せる。白い足袋と赤鼻緒の草履は暗い舗面の上へ跳ね上がる。橙色の提灯は古い建物の間を電柱と青い山へ続き、湿った地面に短い金色の光を落とす。 分析 中央の身体はS字曲線を作り、腕と上がる脚の斜線が横切る。丸い鼓と提灯は奥行きの中に拍を反復する。白布が広い明部となり、青模様と赤帯が分節する。厚い絵具は布と肌へ重量を与え、空と遠い街路は柔らかく処理される。浮いた足の下の反射と影が跳躍感を強める。左右から入る腕は画面外にも同じ振付が続くことを示す。 解釈と評価 手鼓は音楽と身振りを一つの移動する身体へ統合するものと解釈できる。開いた口と揃う腕は装飾的な姿勢ではなく、掛け声、応答、共同の労力を示す。活発で統一された構図、青、白、赤、橙の色彩が評価できる。布、肌、木、提灯紙、舗面、夜気を描き分ける技法と描写力、跳躍する足を反復させる独創性も高い。 結論 第一印象では自発的な喜びに見えるが、見続けると、四肢、楽器、光の緊密な反復が分かる。統率された公共舞踊へ説得力ある身体的な力を与えた作品である。

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